学童活動の持つ意味・その1

当園では、平日登園のお子様は毎月一回、土曜登園のお子様は園外活動時に、家庭でのお手伝いで貯めたお金を持って買い物に行く活動を設けています。

「こづかいもって」が始まったきっかけは、小学3年生の男の子とおやつを買いに行った時の事でした。
その子がお店で言った言葉が「何個?」でした。買い物に行った際、「今日は1個だけね」と言っていませんか?
「150円以内で選ぼうね」と伝えたところ、「これ買える?」と200円位のおやつを持ってきました。
値段の見方、消費税が加わる事、そして、レジに並んだ時にどのお金(金種)を出したらよいのかが分からなかったのです。

その姿に衝撃を受け、この子たちが自立した生活が出来るようになる為に、また、お金のトラブルに巻き込まれるのを防ぐ為にはどうしたらよいか考え、その結果、こづかいもっての活動が始まりました。

算数の授業では、足し算や引き算がスムーズに出来るけれど、いざ買い物に行ってみると、買い物で必要な計算が難しい子もいます。
手伝いをして得たお金で買い物に行く事は、体験型の算数の授業に繋がっています。

生活していくには、買い物は欠かせません。
金銭感覚を身に付ける事は、生活する力(自立する力)を養う事にもなります。

ちなみに、手伝いについてですが、「お金が欲しいから手伝いをする」という声も聞かれます。
手伝いをする事は、「家庭での役割・価値」「責任感が身につく」「(効率の良い方法を)考える力」に繋がります。

親子で子どもが出来そうな手伝いを話し合い、責任をもって行う仕事を決めて下さい。
手伝いに限らず、親が一方的に決めたルールだと子どもは従わない事があります。
自分で決めたルールの方が子ども達も守る事が出来ると思います。
そして、子ども達が頑張った後は、必ずたくさん褒めて、認めてあげましょう。
「ありがとう」「~をしてくれて助かった」等を伝える事で、より信頼関係が築かれ、自信がつき自己肯定感を育む事が出来ます。

当園では学年、発達年齢に応じて、買う物、使う場所等も変えています。
仲間と一緒に買い物に行く事を楽しめるよう、「こづかいもって」への期待が持てるよう、ご家庭でも声を掛けて頂けたらと思います。